dermatology disease
東京動物アレルギーセンター
はじめに
外耳炎は、耳の中に急性または慢性の炎症が起こっている病気で、犬猫ともに最も多い病気の1つです。
犬ではコッカースパニエルのような耳が垂れ下がっており、通気性が悪く、耳の中の湿度が高くなる犬種に多く見られ、猫ではスコティッシュフォールドなどの折れ耳の猫で見られることがあります。
炎症が耳の入口から鼓膜まで及ぶこともあり、放っておくと鼓膜の奥にある中耳、さらには内耳まで広がることもあります。また、外耳炎を繰り返すことにより耳が腫れ上がれると、耳道が塞がれてしまい、手術により切除が必要になってしまいます。
外耳炎の症状
症状は、外耳炎の原因や炎症の程度により様々です。
多くの場合、耳を痒がります。その後、痒い耳を掻くことにより傷ができ、痛みが生じます。
さらに悪化してくると耳を触られることを嫌がり、怒ることにより治療できなくなり、悪循環に陥ってしまうこともあります。
匂いが発生することもあり、悪化するにつれて、耳から悪臭を放ってくることも少なくありません。
他の症状としては、首を振る、足で耳の後ろの部分を掻く、耳を下にして頭を傾けるようなしぐさをすることが見られます。
気づいた時にはかなり悪化していることも少なくなく、耳の中は普段からこまめにチェックすることを推奨しています。
外耳炎の原因
外耳炎の多くで、アトピー性皮膚炎や食物アレルギーなどの基礎疾患がある
と言われており、実際、アトピー性皮膚炎や食物アレルギーの子で外耳炎を併発している子も多く見られます。
他にも草の実など異物によるもの、細菌や真菌の感染、免疫の問題、腫瘍、分泌腺の疾患など多くの原因が複雑に重なりあっています。綿棒などで傷つけてしまうこともありますので、普段のお手入れ時にも注意が必要です。
外耳炎はこのように様々な原因が考えられるので、当院ではまずは発生した経緯や今までの治療法などをまずはしっかり聞かせていただきます。
また、オトスコープという内視鏡で耳の奥までしっかり見ることで外耳炎の進行具合を確認することもできます。
外耳炎の治療
外耳炎の治療はをも根本にある原因にを治療しながら、耳の中の環境を清潔に保ちます。
アトピー性皮膚炎や食物アレルギーを併発している場合はその治療も並行して行います。
慢性になってしまった外耳炎の多くは、汚れが目立ち、細菌が多く残っています。この汚れや細菌感染が残っていると治ることが遅くなってしまうことも考えられます。細菌感染に関しては、点耳薬や内服薬を使って治療を行なっていきます。
外耳炎と聞くと単純な耳の病気を思いがちですが、実は数年間悩んでいる方も少なくありません。なかなか良くならない外耳炎でお悩みの方がいらっしゃいましたら是非一度ご相談下さい。
東京動物アレルギーセンター
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