歯科

犬も猫もご飯を食べることが生きるためには大事です。
ただ、歯が悪くなると痛くてご飯を食べれなくなります。
犬の歯周病のイメージが強いですが実は猫の歯周病も少なくありません。
今回は歯科についてのお話になります。

①予防歯科について

犬や猫の歯は、生後約1か月齢で生え始め約4か月齢までは乳歯です。
乳歯は色が少し白く、先端が尖っているのが特徴です。
その後、約4か月齢から大人の歯である永久歯が生え始め7か月齢までには乳歯から生え変わります。
この時期に特に小型犬の多くで問題になるのが、乳歯が抜けずに残ってしまう乳歯遺残や咬み合わせが悪くなってしまう不正咬合です。乳歯遺残や不正咬合は早期に対処すれば治療ができますので一度ご相談下さい。

②1歳からの対策

1歳からしばらくは歯周病によるトラブルはあまり多くありません。
生えたばかりの歯は傷も少なく、汚れもあまり蓄積していないので自然と口内環境は悪くなりにくい時期です。
この時期に注意しなければならないことは、硬いものを噛んだり、いろいろなものでよく遊ぶことによっておこる歯の破折です。
定期的に病院での診察を受け、前歯から奥歯まで欠けているところがないかチェックを受けましょう。

③中〜高齢の歯周病

中齢から高齢になってくると徐々に口内環境が悪くなってくることがあります。
口内環境の悪化は長い年月をかけて汚れが蓄積し歯石となり、そこに付着した菌が歯肉炎などを起こしてしまうことにより起こります。歯肉炎が起こると、歯肉からの出血や口臭がでてくるようになり、歯肉が赤く腫れ、徐々に退縮していきます。そうやって歯を支えている歯周組織が炎症により壊れていくことを歯周病と呼びます。
歯周病が進行すると、歯が抜けてしまうだけではなく、目の下が腫れて破裂し膿や血がでる根尖膿瘍や、鼻血やくしゃみなどが出るようになる口鼻瘻などの根尖病巣などが起こることもあります。
また、さらに悪化すると歯周病菌による呼吸器消化器などの感染症など2次的に様々な影響を出すこともあります。
歯周病の進行を止めるには、歯石を除去することが第一です。歯石除去の際に重要なことは、表面の汚れだけでなく、歯の裏側や歯周ポケットまでしっかりとチェックし、きれいにしなければなりません。無麻酔で実施するとどうしても動物が動いてしまいますので、麻酔をかけて丁寧に歯石を除去します。

中〜高齢になった時に歯周病にならないためにも小さい頃から歯を磨く習慣をつけることも大事な対策の1つです。
歯磨き教室も随時行っていますので、お気軽にご相談下さい。