多項目自動血球計数装置は血液一般検査時に用いられます。
血液中の赤血球は、全身をめぐって体の隅々に栄養や酸素を届け、さらに二酸化炭素や老廃物を回収します。
このほかに、血液中には体内に侵入してきた細菌などと闘う白血球や、傷口を固めるときに働く血小板などがあります。
いずれも、健康に生活してていくためには重要な役割を担っており、この成分に異常があるとさまざまな病気を引き起こします。
血液一般検査では、血液中の細胞成分の状態を調べます。
①炎症の有無を調べる
WBC(白血球数)
高値:炎症、細菌感染
低値:敗血症
②貧血・赤血球増加症を調べる
RBC(赤血球)
貧血・赤血球増加症の有無を調べます。
高値:脱水、血液濃縮、多血症
低値:貧血、出血、腎臓病
HGB(ヘモグロビン量)
高値:脱水、血液濃縮、多血症
低値:貧血、ビタミン不足、造血機能低下
PCV/HCT(ヘマトクリット値)
高値:脱水、血液濃縮、多血症
低値:貧血、出血、造血機能低下
③貧血の分類を調べる
MCV(平均赤血球容積)・MCH(平均赤血球血色素量)・MCHC(平均赤血球色素濃度)
高値:出血・溶血
低値:鉄欠乏・慢性出血
④止血能力を調べる
PLT(血小板数)
高値:免疫疾患・急性出血・慢性感染
低値:骨髄疾患・免疫疾患・出血・バベシア症